重点募集中の職種:エネルギーネットワークに関する研究開発

  • 環境負荷を低減するエネルギーネットワークの実現

    再生可能エネルギー(以下、再エネ)を無駄なく安心・安全に供給すべく、再エネの発電状況に合わせた蓄電・需要設備の適切な制御など実現するエネルギー最適制御技術、新たなエネルギーサイクルを実現すべく、「エネルギー吸収」という新たな概念を加えて、高効率な熱輸送や熱変換により排熱を有効活用するエネルギー循環技術の研究開発を推進しています。

エネルギーネットワークのポイントは?

環境負荷を低減するエネルギーネットワークの実現に向けて、以下の技術に取り組んでいます。

■エネルギー最適制御技術:
生成AIの普及によりデータセンタ(DC)の電力需要が急増しています。一方、カーボンニュートラルの実現に向けて再生可能エネルギー(再エネ)の導入も進んでいます。しかし、再エネは地域や時間によって発電量が変動するため、DCの電力需要とかみ合わず有効活用が難しい状況にあります。こうした需給のミスマッチを解消するための新たなアプローチの確立が、重要な課題となっています。この課題解決に向けて宇宙環境エネルギー研究所では、再エネ発電状況に応じてDCの処理負荷(ワークロード:WL)や蓄電池の充放電を柔軟に制御する「エネルギー/ICTリソース統合制御技術」と、今後のDC整備に向け、候補地の再エネ利用率やコスト等を評価し、最適な候補地選定を支援する「DC配置最適化技術」という2つのアプローチで、ワット・ビット連携を通じた再エネ利用量の最大化に取り組んでいます。

※電力インフラ(ワット)と情報通信インフラ(ビット)を統合し、持続可能で効率的な社会基盤を構築する取り組み

■エネルギー循環技術:
これまで未利用であった排熱を積極的に吸収し、冷熱や電力として再利用することで、新たなエネルギー連鎖のサイクルを構築する研究開発に取り組んでいます。例えば、情報処理需要の増加により電力消費が拡大しているデータセンタの排熱を利用して、少ないエネルギーで効率的に熱を輸送して冷熱を生成する技術や、工場などで発生する高温の排熱を対象に、高効率に電力に直接変換する技術を研究しています。これらの取り組みを通して、データセンタや工場などの省エネルギー化を図り、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

募集要項

1再生可能エネルギーの利用最大化を目的としたエネルギー最適制御技術に関する研究開発

Mission

業務内容

候補者のキャリア・専門性に応じて、次のいずれか(場合によっては複数)を担当していただきます。

  • データセンタの最適配置技術の研究開発
     ・再エネ発電量、データセンタの電力需要量や立地の候補場所、電力系統情報などをインプットとした、再エネ率の最大化やコストの最小化を実現する配置案を推定するための最適化アルゴリズムの研究開発、およびNTTグループの事業導入に向けた検討
  • 再エネ発電量・データセンタ電力需要量の予測技術の研究開発
     ・日射量や気象条件などの環境情報をインプットとした、再エネの発電量を予測するためのアルゴリズムの研究開発、およびNTTグループの事業導入に向けた検討
     ・データセンタ内装置(サーバ、空調など)の消費電力や内部構成、利用状況をインプットとした、装置個別/データセンタ全体の電力需要量を予測するためのアルゴリズムの研究開発、およびNTTグループの事業導入に向けた検討
Ability Knowledge

必要とする知識・スキル・能力・経験

  • データ分析の経験(python, MATLAB等,特に言語は問わない)

〈あると望ましい知識・スキル・能力・経験〉

  • データの分析/解析、AI/機械学習の実装経験
  • データセンタの設備に関する知識、設計・保守の経験
  • 再生可能エネルギーに関する知識
Person

求める人材像

  • 知的好奇心が旺盛で、最新の技術を自ら積極的に調査・活用しながら技術課題の解決にアイデアを生み出せる意欲のある方
  • 異なる専門分野のメンバーと協調しながら複雑な課題解決に積極的に取り組める方
  • 柔軟性・協調性を持ち、社内外を問わず円滑なコミュニケーションが図れる方

2未利用排熱を活用した、新たなエネルギー連鎖のサイクルを実現するための研究開発

Mission

業務内容

候補者のキャリア・専門性に応じて、次のいずれか(場合によっては複数)を担当していただきます。

排熱の有効利用に特化した熱関連技術に関する研究開発に従事していただきます。

  • データセンタの冷却に使用されるエネルギーを削減する技術に関する研究開発
     ・少ないエネルギーで熱を輸送し、冷熱を生成する技術の研究開発を行います。
     ・主な業務内容は、低エネルギー熱輸送デバイスの設計、熱輸送性能測定、新規冷却技術の開発、冷却効率の評価実験、特許作成、国際会議での発表、国際論文誌への投稿などです。
  • 工場などの排熱を高効率で電力に変換する技術に関する研究開発
     ・高温の排熱から得られる低エネルギーの近赤外線を高エネルギーの近赤外線へ変換し、熱電変換素子を用いて再利用する技術の研究開発です。
     ・主な業務内容は、波長変換材料や熱電変換素子の材料開発、光学実験、デバイス評価、特許作成、国際会議での発表、国際論文誌への投稿などです。
Ability Knowledge

必要とする知識・スキル・能力・経験

  • データセンタの冷却に使用されるエネルギーを削減する技術に関する研究開発
     ・伝熱工学・熱流体力学などの知識
     ・論文・特許作成能力
  • 工場などの排熱を高効率で電力に変換する技術に関する研究開発
     ・熱エネルギー工学などの知識
     ・論文・特許作成能力

〈あると望ましい知識・スキル・能力・経験〉

  • データセンタの冷却に使用されるエネルギーを削減する技術に関する研究開発
     ・冷却技術、熱輸送デバイスなどの知識
     ・実験装置設計・組立・熱計測やデータセンタ向け冷却設計スキル
     ・実環境を踏まえた工学的最適化能力
     ・データセンタや空調関連の研究開発経験、熱輸送デバイス(ヒートパイプ・PCM)の実証研究、エネルギー効率評価、国際学会発表や共同研究などの経験
  • 工場などの排熱を高効率で電力に変換する技術に関する研究開発
     ・光学・量子エネルギー変換、半導体工学などの知識
     ・データ解析、光学実験などのスキル
     ・実験設計能力、学際的思考力
     ・光エネルギー変換デバイスや太陽電池研究、ナノフォトニクスや近赤外光学デバイス開発、高温材料・高効率変換素子の評価実績、国際学会発表や共同研究などの経験
Person

求める人材像

  • 学際的な視点を持ち、新しい発見や学びを楽しめる方
  • 知的好奇心が旺盛で、未踏領域に挑み、革新的な技術を構想できる方
  • 研究を通じて、社会や環境問題の解決に貢献する意欲を持つ方

勤務地

武蔵野研究開発センタ(東京都武蔵野市緑町3-9-11)

メッセージ

NTT宇宙環境エネルギー研究所は2020年7月に発足した研究所で、宇宙スケールにまで視座を高く掲げ、環境エネルギー分野における研究を推進します。
中でもエネルギーとAIはいずれも今まさに変革しつつある技術分野であり、技術の動向や周辺環境は目まぐるしく変化しています。そういった中でも新しい研究に対し、夢と情熱を持ち、積極的にチャレンジし、一緒に頑張っていただける人材を求めています。

林俊宏 グループリーダ

持続可能な未来を研究から創る

生成AIの普及によってデータセンタ需要は急増し、消費電力や発熱量はこれまでにない規模で拡大しています。一方で、再生可能エネルギーの導入拡大により、従来の「需要に合わせて供給側である電源を制御する仕組み」は限界を迎えつつあります。今必要とされているのは、これまでとは全く異なる新しいエネルギー制御技術です。
当グループでは、データセンタを活用した需給調整による再エネの地産地消や、これまで捨てられてきた排熱の高効率利用に挑戦しています。これらの研究を通じて、包括的なエネルギー循環によってカーボンニュートラルが達成される世界をめざしています。
私たちは、学際的な視点と知的好奇心を持ち、未知の課題に挑むことを楽しめる仲間を探しています。分野を超えて協力し合いながら、新しい発想で環境負荷ゼロの社会を一緒に創っていきましょう。

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