NTTアクセスサービスシステム研究所
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ANSL R&D Times

3.配線施工を容易とする省配線技術

本システムは、IP、給電、電話を一本のケーブルにまとめる方式で、このような新規のケーブル本数を削減する省配線化は、既築ビルの限られた既設配線内 にもブロードバンド用配線設備を構築することを容易にします。
ビル/マンションの配線には大きく分けて、垂直方向に幹線ケーブルを配線する縦系配線と、水平方向に、幹線から分れたケーブルをお客様宅まで配線する横系配線があります。縦系配線と横系配線はIDFボックス内で接続されています。
通常の縦系配線は、外径5?6mm程度のUTPケーブルを、サービスを提供する戸数分を、各戸まで配線します。ビル全体にサービスを提供する戸数が10世帯あれば、10条のUTPケーブルを、ケーブルラックなどを用いて配線します。しかし、既設の小・中規模ビルの配線設備ではケーブルラックのような大掛かりな配線設備はなく、新たにサービスを提供する場合には、配線設備を構築する必要があり、大きな負担となります。
これに対して本システムでは縦系の配線はカスケード用のUTPケーブル1条のみになりますので、既設のビルで電話等に利用されている配管に、多条敷設することが十分に可能で新たな配線設備を必要としません。
LAN配線の横系配線は、通常LANケーブルをIDFボックスからお客様宅内まで引き込みます。既設の電話と同様なケーブルルートを通して配線します。 本システムでは、お客様宅内までの横系配線を2種類想定しており、ひとつは、従来どおり、既存の電話線と横系UTPケーブルを多条敷設する方法で、通常の ビルであれば、多くはこの方法で対応が可能です(図6)。横系に関して配管や配線スペースがまったくないといったマンションに対しても、既設の電話線を引 き抜き、UTPをその空間に配線することによって対応が可能になります。(図7)

図6 UTPを多条敷設する 図7 各部屋にはUTPケーブルのみを敷設

図6 UTPを多条敷設する

図7 各部屋にはUTPケーブルのみを敷設
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