[基礎数学セミナー] 「二分決定グラフの演算の計算量について」開催のお知らせ

タイトル:二分決定グラフの演算の計算量について
日時:2025/6/2
講演者:中村 健吾(NTTコミュニケーション科学基礎研究所 協創情報研究部 准特別研究員)
会場:ハイブリッド(オンライン / 武蔵野研究開発センタ)

二分決定グラフ(BDD)は部分集合の集合である集合族を有向非巡回グラフとして表現する構造です。BDDは集合族を小さく表現するのみならず、集合族に関する様々な演算をサポートします。この特徴から、BDDは集合族が現れる計算問題を実用上高速に解くためのデータ構造として重宝されています。本講演の前半では、BDDの構造やBDDを用いた基本的なアルゴリズムの解説を行います。講演の後半では、BDDの構築に関わる演算の計算量に関する未解決問題を解決した研究について紹介します。本研究はドナルド・クヌース博士が著した計算機科学の名著であるThe Art of Computer Programmingの修正提案に繋がりました。計算機科学や計算量の議論になじみがない方にも配慮した説明ができればと思います。