映像サービスやスマートフォンの普及、AIの活用拡大によるトラフィック急増に対応するため、環境負荷を高めることなく膨大なデータ処理を可能とするコンピューティングアーキテクチャ・デバイス技術の研究開発を推進しています。具体的にはDCI向けインターコネクト、超高精細映像AI推論LSI、FPGA-HWAトラフィック監視システムの技術開発を進めており、これらを通じて次世代ネットワークサービスの創出と、次世代データセンタの高度化・低消費電力化への貢献を目指しています。
AI: Artificial Intelligence
DCI: Data-Centric Infrastructure
LSI: Large Scale Integration
FPGA: Field-Programmable Gate Array
あらゆるものがネットワークに繋がる「未来のコミュニケーション」に向けては、遠隔地にある複数のコンピューティングリソースを連携制御して、あたかもすぐ近くに存在する高性能なコンピュータで演算するかのような通信インフラが求められています。我々は、NTTで開発した光電融合デバイスを適用した大容量・低消費電力なイーサネットスイッチや、メモリ/GPU/FPGAなどといったハードウェアリソースを自律的に連携制御するハードウェアファンクションチェイニング技術の研究開発を推進しています。これらの技術開発によって、高効率・低消費電力なデジタル演算を実現するDCIに向けたインターコネクトを実現していきます。
DCI: Data-Centric Infrastructure
GPU: Graphics Processing Unit
FPGA: Field-Programmable Gate Array
PEC: Photonics-Electronics Convergence
近年、映像AIを活用した業務や生産の効率化がますます重要になっています。中でも、エッジ/端末アプリケーションにおけるAI活用が期待されています。その一方で、市中技術では、解像度、リアルタイム性の面で課題があります。これら課題解決のために、AI推論における解像度制約を4K等の超高精細映像にまで拡張し、これをリアルタイムかつ低電力で処理可能にするLSIの研究開発に取り組んでいます。ドローンに本LSIを搭載することで、目視外での安全航行に必要な飛行経路下の人・モノの有無の確認を、最大150m高度(従来は30m程度)からでもAIで処理することが可能となり、公共空間における人流分析サービスにおいては、より広範囲からの検出が可能になります。
AI: Artificial Intelligence
LSI: Large Scale Integration
近年、仮想マシンやネットワークリソースをソフトウェアによって柔軟に構成できる仮想環境が普及し、多様なネットワークサービスが提供されるようになっています。これらのサービスは、社内設備(オンプレミス)に加え、クラウドと連携した"クラウド‐オンプレミス統合環境"でも広く利用されており、ネットワーク構成は一層複雑化しています。このような環境でのセキュリティ対策や障害発生時の問題切り分けには、ネットワーク監視が不可欠です。われわれは、さまざまなネットワークからのトラフィック状況をリアルタイムに監視するプローブと、それらの結果を集約し、一括管理・可視化するコントローラから構成される"FPGA-HWAトラフィック監視システム"の開発を進めています。FPGAを用いることで10Gbpsや100Gbpsといった超高速ネットワーク上での障害検知をリアルタイムに実現できます。本システムにより、万が一の障害発生時にも、サービス利用者への影響を最小限に抑えることを目指しています。
FPGA: Field Programmable Gate Array
HWA: Hardware Accelerator
NIC:Network Interface Card