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ANSL R&D Times

1.無線LANの遅延・ジッタの原因と実態

無線LANは1対1の通信で、周囲からの干渉が無い場合は遅延は小さいシステムです。しかしながら、無線LANは誰でも使える周波数帯で運用されるシステムであり、周囲からの干渉を受ける可能性があります。

図2に無線LANの遅延・ジッタの増大の要因を示します。無線LANはCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス方式を採用しており、同じチャネルを使用している周囲の機器と、送信権の競合が生じます。他の機器が先にチャネルを使用している場合等にはチャネル占有状態となり、送信待機の必要が生じます。また、周囲の機器からの電波が干渉となり、無線フレームの送信エラー率が増大します。更に最近の無線LANシステムでは、複数の無線フレームを結合してバースト的に送信する方式が使われているため、次の送信権を得るまでの時間が長くなり、ジッタが増大するケースがあります。以上のような理由で、無線LANの遅延・ジッタは環境によっては不安定になります。

 

図2:無線LANの遅延・ジッタの原因 

図2:無線LANの遅延・ジッタの原因
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