
1. アクセスケーブルの種類と適用領域の関係
有線給電アクセスシステムでは、伝送媒体として用いる光ファイバ・メタルケーブルの各々の伝送特性に起因して、IoTサービスへの適用領域が異なります。
伝送媒体として光ファイバを用いる場合は、給電の面では作業者の安全確保の困難さや受信光の電力変換効率の悪さから、数~数十mW程度しか電力を供給できません。しかし、光ファイバ中のエネルギー減衰が少ないため、より遠方のセンシング拠点に対してサービスを提供可能です。
これに対して、伝送媒体にメタルケーブルを用いる場合は、給電の面ではエネルギー変換に関わる電力損失がないため、より大きな電力を得ることができます。しかし、通信の面ではメタルケーブル中のエネルギー減衰が大きいため、NTTビルからサービスを提供できるエリアは限定されます。
以上より、光ファイバを用いた給電アクセスシステムは、NTTビルから20 km以内のエリアで、単純なセンシング情報を収集する場合に有効です。また、メタルケーブルを用いた給電アクセスシステムは、NTTビルから数km以内のエリアで、より複雑な情報を収集する場合に有効です。
図2 アクセスケーブルの種類によるIoTサービスの適用領域の違い
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