NTTアクセスサービスシステム研究所
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ANSL R&D Times

1. COM-U開発コンセプト

①衛星中継器の利用効率向上

現在NTTグループの衛星通信は、衛星事業者から中継器帯域を借用してサービス提供しています。そのため、高額な衛星中継器の帯域利用コストを抑えるためには、帯域をできるだけ無駄なく有効利用することが重要です。

COM-U(Common Unit)では、任意周波数に任意速度の通信キャリアを配置できる高効率グループモデムモジュールを採用し、隣接する通信キャリア間に設定されるガードバンドを削減しました。この結果、現行システムより、通信キャリアを詰めて配置できるため、同じ収容回線数であれば、衛星中継器の利用周波数幅を削減することが可能となります。一方同じ利用周波数幅であれば、収容回線数を増やすことが可能となります。

 

②保守運用性の向上

現行システムでは、機能ごとに装置が分かれており、複数の装置が相互連携して衛星回線を終端しています。そのため、装置間の配線数が多く、設置時および故障交換時の配線作業に手間がかかっていました。配線数が多ければ、配線ミスが生じる可能性が高まります。

COM-Uでは、それらの複数の装置を機能ごとにパッケージ化して、1つの筐体に差し込んで集約搭載できるようにしました。故障時にはパッケージを交換する作業になるので、故障時の回復時間の短縮化が図れます。さらに今後メンテナンスする装置数の削減にもなり、保守運用性が向上します。また、災対通信システムおよび離島通信システムで利用する場合、同じ筐体に対してそれぞれに必要なパッケージを搭載することで利用可能となります。

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衛星通信中継器の効率的利用と保守運用性向上!
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