
1.開発技術のポイント
開発した被災予測技術は2つの診断技術を組み合わせて実現しています(図3)。
1つは、図3の①に示す管路個々の構造的な耐力を診断する技術です。地下に埋設された管路の地震耐力を、管路の埋設線形・防護コンクリートの有無といった設備情報や、地震時の揺れの強さ、地盤固有の振動特性といった政府の研究機関などが公開している情報から推定することを可能にしました。
もう1つは、図3の②に示す管路個々の経年劣化後の耐力を診断する技術です。地下管路の劣化は埋設環境に応じてさまざまな腐食速度を示しますが、本診断技術では、現場技術者が簡易に判定できるように、日ごろのマンホール点検表のデータから、金属管路の劣化による耐力低下度合いを定量的に把握することを可能としました。なお、本技術はNTT先端集積デバイス研究所の材料部門と連携して開発に当たりました。
そして、図3の③に示すように、これら2つの診断技術を統合した被災予測ロジックによって管路一本一本の地震耐力を評価します。従来の耐力評価では、標準的な一様の地盤に埋設された新品の直管の評価耐力により耐震性能を判定していましたが、本技術では、①の構造的な耐力低下度合いと②の劣化による耐力低下度合いを考慮し、震度7相当の地震に耐えうる強度と照査することで、現時点における地震耐力の判定や、あと何年で必要な地震耐力がなくなるかの判定が可能になります。
図3 既設管路の被災予測技術のポイント
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