
1.上り信号受信の課題と提案技術
デジタルコヒーレント光アクセス技術を用いたPONシステムを実現する上で、特に技術的に課題となるのは上り信号の受信方法です。PONシステムにおいて、通信局舎に配置される局側装置(OLT: Optical Line Terminal)は、通信局舎から遠近双方に位置する加入者装置(ONU:Optical Network Unit)を収容します。各ONUは、OLTに割り当てられた時間スロットに応じて上り信号を送信します。したがって、OLTには、各ONUの送信する信号強度の大きく異なる時間的に間欠な信号(バースト信号)を瞬時に受信に最適な状態にする機能が必要となります。NTTアクセスサービスシステム研究所は、これを実現するバースト信号のデジタルコヒーレント受信方式を提案しました。
【キー技術】
バースト対応光増幅器:光増幅器の利得を高速に制御し、受信信号強度を一定値に保ちます。これにより、OLTが受信できる信号強度の範囲(受信ダイナミックレンジ)を拡大します。
バースト対応デジタル信号処理回路(DSP):バースト信号の到着を判断し、各ONUの送信する信号毎にデジタル信号処理を施すことで、長距離伝送等による受信信号の特性劣化を補償します。
図2 上り信号受信の課題と提案技術
![]() PONシステムの抜本的な性能向上を実現するデジタルコヒーレント光アクセス技術 |
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![]() 2.提案技術の原理確認実験の実施 |