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3.端末局高密度存在下における置局設計法

 都市部等で多くの無線システムを固定局利用する高密度環境の場合、干渉の影響が大きくなります。干渉の影響を軽減する対策は複数考えられ、無線装置自体に装備されることが通例となります。 
 一方で、無線装置の改造を要せず、運用で対応することも可能です。①送信電力を抑制することで他者への与干渉量を低減したり、②指向性アンテナの方向を他者へ向けないように調整したり、③近隣他者とは異なる無線チャネルを割当てる等があります。しかしながら、これらをどう組合わせるかを決定することが重要且つ困難であるため、置局設計法が必要となります。
 

図5 置局設計の必要性

図5 置局設計の必要性

 

  高密度環境へ対応するためには、同じチャネルをできるだけ近くで繰り返して使えるようにすること、つまり同じチャネルを使うことによる相互の干渉量を低減することが求められます。今回の提案法は以下の通りです。
 まず同一基地局と通信する(A)固定局を近距離でグルーピングして基地局との通信距離を短くすることで、(B)基地局の送信電力抑制が可能となり他グループへの干渉の影響を低減します。次に同一チャネルを利用する基地局が干渉量を許容できる範囲でできるだけ近づけられるように(C)チャネルを配置し、更に(B)基地局の送信電力を与干渉量の許容範囲内で調整します。
 

 

図6 高密度環境への対応

 

図6 高密度環境への対応

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