
1.劣化マンホールの耐力評価
マンホール上床版の耐力低下の要因は鉄筋の腐食に伴う鉄筋断面積の減少にあることから、マンホール上床版の鉄筋腐食モデルを作成し、FEM解析※により耐力評価を行うこととしました。
鉄筋腐食モデルを作成するため、マンホール点検写真により上床版の露筋状況を精査しその傾向を分析した結果、一方向に複数本現れる露筋傾向を確認しました(図1)。この露筋傾向は、露筋部分の割合が多く上床版全体の平均鉄筋腐食率が高いと想定されることから、この一方向に複数本現れる露筋をベースに最大鉄筋腐食モデルを作成しました(図2)。
この最大鉄筋腐食モデルにマンホール上床版に想定される最大荷重が加わった時の挙動についてFEM解析にて検証したところ、耐力評価の対象とした10種類のマンホールのうち2種は壊れてしまう可能性があることが分かりました。
※FEM解析
FEM(Finite Element Method:有限要素法)。微分方程式を、近似的に解くための数値解析の方法。
複雑な形状・性質を持つ物体を単純な小部分に分割することで近似し、全体の挙動を予測しようとするもの。
図1 一方向に複数本現れる露筋
図2 マンホール上床版 最大鉄筋腐食モデル(旧規格5号マンホール)
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