
「従業員体験の高度化に寄与する「Social Well-being」~デジタル技術と人文・社会科学を組み合わせて、社員自らがチームでいきいきと働ける職場環境を実現します~」と題して、展示を実施いたしました。
展示では、人がWell-beingを感じる流れをご説明し、3つの技術について成果を報告しています。
産官学の国内外の多様なお客様に数多く来場していただきました。
“EASE”は、個人の状況や行動意図を推定し、個人を適切な集団につなぐことによって、個人を取り巻く集団や状況を対象とした行動創発を行います。今回は「個人を適切な集団につなぐ」に焦点を当てて展示を行いました。
組織が大きくなると、上手くいっている組織と、そうでない組織がどうしても生まれます。たとえば、連携が取れず、特定の人ばかりに対応が集中すると、個人の不満を生むだけでなく、集団としてのポテンシャルを活かしきれず好ましい状況とは言えません。
そこで、個人が生み出す多様なデジタル情報(たとえばテキスト情報など)から導出する暗黙知に基づき、Social Well-being実現につながる「人と人のつながり」を形成し、つながりを活かして行動を創発することで、マネージャのスキルに頼らず、うまくいっている組織へ導きます。
「わたしたちのウェルビーイングカード」は、お互いが何にWell-beingの価値を感じるかのを理解を促進するためのツールです。ウェルビーイングを感じる要因を抽出・分類した「わたしたちのウェルビーイングカード」を用いた価値観の可視化と共有により、お互いのウェルビーイングを尊重できる関係性の構築を支援します。
また、「身体性コミュニケーション技術」を利用して、遠隔との通信を含むコミュニケーションの中に、視覚や聴覚にくわえて触覚の要素を適切なかたちで与えることで、コミュニケーションを活性化し、共感や信頼の醸成を促します。 今回は、自己開示や相互理解を支援するツール「心臓ピクニック」や「触覚名刺」を展示いたしました。
それらの技術を活用した企業向けのチームビルディングワークショップや研修プログラムの開発を合わせて行っています。
また、「マイマンダラアプリ」のデモを行いました。 「マイマンダラアプリ」では、ウェルビーイングを感じた時の写真とWell-beingの価値観を紐づけ、マンダラのように写真を配置することで、その人がウェルビーイングを感じる状態を可視化することができます。さらに、チーム内で参加しているメンバーの「マイマンダラ」を統合し、チームのマンダラを生成し可視化することで、チームメンバーの相互理解の促進します。
京都大学の哲学者である出口教授が提唱されているSelf-as-Weという”概念”を、個人とチームの関係性を測るSelf-as-We尺度という質問項目にし、実際にその尺度をNTTグループ社員15万人に対して測った結果を展示しました。
心理学的手法を用い、通常は測ることが難しい哲学的概念を質問項目にすることで数値として測ることができるようになります。
支援技術で得た現場の知見から、測る技術を洗練化し、また測る技術の研究過程で発見したWell-beingに寄与する要因や関係性ならびに測定方法を支援技術に取り込んでいくという循環で、「Social Well-being」の実現に貢献していきます。