超広域大気海洋観測技術

超広域大気海洋観測技術

地球規模の超広域なIoTセンシングにより、大気海洋などの未踏領域を観測可能とする技術

研究紹介

「超広域大気海洋観測技術」は、常時・リアルタイムに直接観測が困難であった地球のあらゆる場所に、IoT センサを配置し、省電力かつ低コストで大気や海洋を直接観測する技術です。
低軌道衛星やHAPSとの連携による超広域なIoTセンシングを開発することで、現在よりも広範囲かつリアルタイムな観測を可能とし、極端気象の予測精度の向上や気候変動の課題解決に資するデータを収集するとともに、大気海洋などの未踏領域に及ぶ観測技術の確立をめざします。

地球温暖化の進行に伴い、極端気象による被害は今後さらに拡大する可能性が指摘されています。高精度な予測による適切な対策のため、現状では取得が不十分な海域の現場観測データを、効率的かつ効果的に収集および活用できる技術が必要です。
そこで、私たちの研究チームは、「超広域大気海洋観測技術」を活用して、気象衛星のリモートセンシングに頼った気象予測での精度向上の限界を打破するために、台風直下などの極端気象の現場観測データを収集する研究を進めています。
具体的には、通信インフラの活用を視野に、観測に向けたセンサの選定、海上・海中など設置場所による環境条件、衛星との通信速度、頻度による通信方式、アンテナ設計、消費電力など、衛星IoTセンサの要件検討などの研究に取り組んでいます。

2025年度から、線状降水帯へ観測対象を拡張し、予測精度向上に資する現場観測データの収集を開始しております。仮想観測による観測システムへの最適化、現場観測データを活用した高精度な極端気象予測技術を確立し、極端化が進む気象現象・地球環境の変化に適応できる社会の実現に貢献していきます。

さらに、国や企業の研究機関・大学との共同実験や共同研究、メーカ系企業とのアライアンスを通じ、技術の重要性やユースケースを検証し、NTTグループの宇宙ビジネスの創造に貢献していきます。

超広域大気海洋観測技術

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