更新日:2021/12/17

    光伝送における故障の発生個所を迅速に特定します光の物理特性に着目し光パスの故障箇所をプロアクティブに特定する故障評定技術NTTネットワークイノベーションセンタ

    概要

    光伝送網の保守運用において、故障発生時には迅速な設備復旧が求められます。しかし、警報監視や装置ログ確認による故障評定が困難な場合、故障評定の長期化が見込まれます。この解決のために、光伝送装置から得られる光信号の様々な性能情報を利用した故障評定技術の研究に取り組んでいます。本技術は、伝送路で発生した故障の影響による光の物理特性の変化を含む光信号の性能情報を分析し、故障の発生個所を事前(プロアクティブ)に特定します。

    背景・従来課題

    コア光伝送網では、多方路の長距離伝送のために、光クロスコネクトや光増幅器が多段に接続されます。これらの装置は光信号状態の詳細な監視機能を備えておらず、伝送路の中間で発生した故障に対し、光パスの受信端(クライアント信号の送受信モジュール)でのみ故障が検出される場合があります。この場合、警報情報や装置ログからは、伝送路中のどこで光信号の品質劣化が発生したのか分からず、故障発生個所の特定が長期化することがあります。

    本技術のアドバンテージ

    • 装置警報の監視や装置ログの確認による故障発生個所の特定が困難な場合でも、迅速な故障評定を可能とします。
    • 光の物理特性の変化を中心とする光信号の性能情報の分析により、経年変化や環境変化による装置の性能劣化や動作不良を事前(プロアクティブ)に検知、故障部位の推定を可能とします。
    • 従来切り分けに長期間かかっていた故障に対し、保守者稼働の削減、および、設備復旧までの期間短縮が期待できます。

    利用シーン

    • 光伝送システムの故障切り分け

    解説図表

    担当部署

    NTTネットワークイノベーションセンタ トランスポートシステムプロジェクト

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