更新日:2019/07/31

    大容量光通信やテラヘルツ無線などに適用可能な化合物半導体技術NTT先端集積デバイス研究所

    背景・従来課題

    一般的なシリコンを用いたICでは、CMOSのような大規模な集積化により高機能化が可能ですが、高速化や高出力化に限界があります。一方、InP化合物を用いたICでは、高集積化は不得手ですが、シリコンよりも高速化や高出力化が可能なため、相互補完する技術として期待されています。

    概要

    NTT研究所では、最先端のInP化合物半導体R&Dプロセスによる超高速IC技術をオープン化し、パートナとなる皆さまとのコラボレーションを通じ技術のさらなる進化をめざします。今後、コラボレーションをするパートナの皆さまを募り、パートナとなる皆さまにプロセスデザインキット(PDK)を配布し、最先端化合物半導体R&DプロセスでのIC化を支援しながら、パートナとなる皆さまと超高速ICを用いた新サービスや新産業の創出をめざすと共に、超高速IC技術のさらなる進化をめざします。

    本技術のアドバンテージ

    • 世界トップレベルの超高速のInP化合物半導体集積プロセス
    • シリコン技術の倍の広帯域特性のICが実現可能(InP HBT)
    • テラヘルツ帯を開拓するICが実現可能(InP HEMT)
    • シリコンではできない超高速アナログICの試作が可能
    • 設計に必要なPDKが利用可能
    • 将来の商用利用を見越した高い信頼性

    利用シーン

    • 超高速アナログICのプロトタイピング・開発
    • 超高速IC設計による新しいサービス・アプリの検証
    • 既存の超高速ICを利用した新しいサービス・アプリの検証

    解説図表

    用語解説

    CMOS (Complementary Metal Oxide Semiconductor)
    相補型金属酸化膜半導体。半導体集積回路を実現する構造としてCPUなど大規模な機能を実現する場合に用いられます。大容量光伝送の送受信では信号量が多いためこのタイプの回路が多く用いられます。微細化により高速化が進んでいますが、高速性や高出力性の面では化合物半導体の方がすぐれています。

    InP
    リン化インジウム。インジウムとリンからなるIII-V族の化合物半導体。高速性や高出力性が求められるアプリケーション向けの機能を実現する場合に用いられます。

    HBT(Heterojunction Bipolar Transistor)
    ヘテロ接合バイポーラトランジスタ。

    HEMT(High Electron Mobility Transistor)
    高電子移動度トランジスタ。

    担当部署

    NTT先端集積デバイス研究所 光電子融合研究部

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