更新日:2023/11/30

    通信インフラ設備の劣化状態や寿命の見える化、設備材料の延命・長寿命化を実現します通信インフラを支えるセンシング技術および材料劣化対策技術
    NTT先端集積デバイス研究所

    概要

    各種インフラ設備を対象に、電磁波センシング技術の先鋭化、機械学習の活用による「設備・構造のセンシング技術」により、目視等では点検できない設備の劣化状態を予測します。さらに、構造や異常の有無を「見える化」し、設備保守のリスク低減・効率化に貢献します。また、材料劣化現象の理解と分析技術を基にした「劣化対策技術」により、設備の寿命推定・延命・長寿命化を実現し、安全性の維持と経済性の向上に貢献します。

    背景・従来課題

    通信インフラは全国の様々な屋外環境に設置されています。その中には、地中や水中、高所、コンクリートなどの構造物内部など、目視での点検が困難なものが多くあります。
    このような屋外通信インフラの安全性を維持するために、劣化状態を把握する技術が求められています。また、劣化した設備を経済的に保守・延命・更改するために、材料劣化の予測技術や、設備の補修技術、より長寿命な設備材料やその選定技術も求められています。

    本技術のアドバンテージ

    • 電磁波センシングを高感度・高分解能かつ局所的な探査に拡張した地中レーダ等のセンシング技術により、地下や構造物内部の設備位置を高精度に特定し、保守点検や更改工事の効率化に貢献します。
    • より実用的な形態に進化させた構造劣化・異常を捉える導波路構造センサによるセンシング技術により、死角が多く目視点検が困難な設備の保守点検業務の効率化に貢献します。
    • 設備に用いられる金属の腐食現象を電気化学的に解明することで、寿命予測や補修技術などの実現へと繋げ、点検業務の効率化や設備の延命化に貢献します。
    • 設備に用いられる塗料やプラスチックといった高分子材料の劣化機構を化学的に解明することで、補修技術や長寿命材料の実現へと繋げ、設備の延命化・長寿命化に貢献します。

    利用シーン

    • 地下工事を行う際に、事前に地下構造物の位置を精度よく知ることで、他の地下構造物を避けて工事範囲を最小化するなど、工事業務のリスク低減と効率化を可能とします。
    • 遠隔監視や遠隔モニタリングで求められるセンサ形態でセンサシステムを構築することで、死角が多く点検稼働を要する設備の保守点検業務のリスク低減と効率化を可能とします。
    • 無線鉄塔や専用橋などの屋外鋼構造物について、鋼材の腐食や塗膜の紫外線劣化が進行しにくい防食塗装を実現します。
    • 内部鉄筋の水素脆化や腐食減肉が懸念されるコンクリート柱(CP)について、鉄筋の寿命を推定することで、寿命に応じた最適な設備保守を実現します。

    解説図表

    担当部署

    NTT先端集積デバイス研究所 ソーシャルデバイス基盤研究部

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