臨界プラズマ試験装置JT-60のエネルギー閉じ込めデータベースを構築し、原子力委員会が定めた「臨界プラズマ条件の目標領域」に到達するための条件予測を可能にし、JT-60プロジェクトに貢献。JT-60における低域混成波加熱・電流駆動実験を主導し、低域混成波によるリミターHモードの発見、トカマクプラズマにおける低域混成波分散関係式および低域混成波近接条件を実証、低域混成波電流駆動プラズマの加熱特性・パワーバランスの解明、低域混成波による3.6MA非誘導完全電流駆動の実証、世界最高の電流駆動効率の実証、プラズマ電流分布の能動的制御の実証など、世界のトカマクプラズマにおける電流駆動研究を牽引する成果を挙げた。低域混成波電流駆動により電流分布を変化させた状態で、高パワー中性粒子入射加熱実験を行い、電流分布を平坦化させることで、閉じ込め性能が改善できることを明らかにした。
JT-60実験グループの主要メンバーとして、核融合積125億度・秒・兆個/m3(1993年)、イオン温度5.2億度 (1996年)、臨界プラズマ条件の達成(1996年)など数々の世界記録の達成に貢献し、1996年のIAEA 核融合エネルギー会議(Montreal)で、冒頭セッションの招待講演を行った。
2009年、日欧協力幅広いアプローチ活動の立ち上げ、青森研究開発センターの立ち上げを主導するとともに、核融合研究開発全体を指揮し、2014年の六ヶ所核融合研究所設立に貢献。2014年度から4年間、六ヶ所核融合研究所所長として、BA活動を推進しつつ、原型炉設計合同特別チームの編成、核融合専用の国内スーパーコンピュータの整備、ITERテストブランケット開発、核融合中性子源A-FNSの設計活動などの国内活動体制の構築を進めた。2018年部門長として、ITERの現地組立・据付やJT-60SA運転の準備、オンサイトラボによる核融合人材育成構想の立案などに加え、文部科学省科学技術・学術審議会専門委員に委嘱され核融合科学技術委員会での審議に貢献。