ネットワーク

今後の社会を支える革新的ネットワークの実現に向けた
研究開発に取り組んでいます。

ネットワーク

今後の社会を支える革新的ネットワークの
実現に向けた研究開発に取り組んでいます。

スマートな世界実現のために。
世界最先端と現場最先端技術の融合によるアクセスネットワークの進化

国内のIPトラヒック量は、増加が進み2030年には2010年の約1,000倍規模になると予測されています。そして将来的には、端末やセンサ類がさらに進化し、表示/音声デバイス等の多様化や映像認識/位置認識等の高度化が進み、「どこにいても、どんな端末でも同じサービスを受けることができる」ようになるでしょう。

そのためには、増加するIPトラヒック全体を支えられる通信性能と設備が求められ、さらに一方では、社会的な課題にもなっている生産年齢人口の減少を踏まえてネットワークの運用を考えることも必要になります。

多種多様なサービスを提供するアクセスネットワークに求められるもの

お客様が場所・回線・端末を気にすることなくナチュラルにサービス提供を受けられるためには、サービスを十分な品質で提供する高い機能性が必要です。これは、いわばアクセスネットワークの基礎体力のようなものです。例えば自動運転や遠隔医療といった新しいサービスの実現には、現在よりもさらに高速大容量で低遅延な性能が必要となります。

また、多彩なサービスが提供されることでネットワークに求められる要件も多様化しています。さらに需要の様相もこれまでとは大きく異なるものとなってきています。このような変化や多様性を許容する高い柔軟性を持つアクセスネットワークへと進化させていくことも今後の重要な課題です。

そして最後にはそれらを支える運用がスマートであることが求められます。現在の日本は世界が経験したことのないような速度で高齢化が進んでいます。これは同時に労働人口の減少も意味します。このような状況の中で社会インフラとしての通信ネットワークの維持運用をどうしていくかということを世界に先駆けて示し、これからの社会を支えるネットワークを創り上げなければなりません。その答えの一つが、極力人手を介さず、また様々な予測により先回りして、計画的にサービス、設備を運用することだと考えています。

最先端の研究をタイムリーに実用的な開発につなげる

NTTアクセスサービスシステム研究所のミッションは、「最先端の研究をタイムリーに実用的な開発につなげ、新たなサービスを創出し続けることで多様な社会を実現する」ことです。

ここでの「最先端」とは、技術の世界最先端と現場最先端の両方を指しています。研究所での最先端な研究に現場の声を取り入れて、より実用的な開発につなげながら新たなサービスの創出に取り組んでいます。

このミッションを実現するために、NTTアクセスサービスシステム研究所では、4 つの方向性を研究開発の柱として据えています。

図1 研究開発の方向性
図1 研究開発の方向性

はじめに「ネットワーク機能の高度化」として、これまで取り組んできたアクセスネットワークの基本機能を、伝送無線から線路土木分野まで、様々なアプローチでさらに進化させることに取り組んでいます。さらに、遅延や帯域制御など、より高度な機能を実現する研究にも注力しています。

次に「リソース配置の柔軟化」として、アクセスネットワークの基本機能や通信設備などのネットワークリソースをサービス要件に合わせて自在に組み合わせて配備できるよう、様々なネットワークリソースを制御する技術の検討を進めています。

また「新たな付加価値の開拓」を目指して、ネットワークの状況を監視、把握してサービス要件と現状に基づいてネットワーク品質をコントロールすることや、通信分野で培った技術を異分野に応用するような検討も始めています。さらに運用面では「スマートな運用」として、設備やネットワークの状態をデジタルデータにして可視化・利用することや、遠隔化・自動化技術と組み合わせて人手を介さずにネットワークを運用することを検討しています。

この4つを柱とした研究開発によって生み出した技術を通じて、次代のアクセスネットワークの具現化とお客様およびNTT グループのデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進し、スマートな世界の実現に貢献します。

将来のアクセスネットワークを支える様々な技術を研究開発

上述のミッションと研究開発の方向性に基づいて、現在NTTアクセスサービスシステム研究所では、革新的な将来のアクセスネットワークについて検討を進めています。また、それを実現し支える技術の研究開発に取り組んでいます。例えば伝送分野では、あらゆるエリアへフォトニックネットワークを届けるために必要な光アクセスの長延化技術や通信に用いる光の波長をプロトコルフリーで管理制御する技術などを検討しています。無線分野では、快適なサービス提供に必要となる低遅延、低ジッタなアンライセンス無線技術や、フォトニックネットワークの高速性と無線のフレキシブル性を融合した高周波数帯アナログRoF 技術に取り組んでいます。

線路分野では、将来の伝送容量拡大に向けた空間多重光ファイバ技術や、光ファイバ自体をセンサとして活用する環境モニタリング技術の研究開発に取り組んでいます。土木分野では、管路の位置情報を3 次元で測定記録する高精度絶対座標自動測位技術を検討しています。オペレーション分野では、レイヤ毎に情報を管理するネットワークリソース管理技術や、業務改善の方針を定めるための情報を提供する業務可視化技術の検討を進めています。

AIの活用やIoTの普及をはじめとして、近い将来に確実に到来する<スマートな世界>を支える最も重要なインフラのひとつがネットワークであることは間違いありません。多様化するニーズに最適かつ柔軟に応え、よりスマートな世界実現に貢献するアクセスネットワーク技術の創出をテーマに、今後も研究開発を推進していきます。

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