研究テーマアーカイブ

プロダクト戦略プロジェクト

ぶるなび

「ぶるなび」は、手を引かれるような力の錯覚」を生み出すことが出来る技術です。NTTコミュニケーション科学基礎研究所の基礎研究が生み出したこの技術をもとに、振動に用いる アクチュエータやその実装方法、制御方法等の改良を進めることで、 振動部と制御部を一体化したスマートフォンサイズの扱いやすい試作機を 実現しました。 今後、ハードウェアの性能向上とともに、高精度の歩行者用地図や BLEビーコン等の測位デバイスと組み合わせた歩行者ナビゲーション サービス等の実現を目指して、さらに研究開発を進めます。

ぶるなび3を持つ手
スマートフォンサイズの「ぶるなび」試作機~歩行者ナビゲーションを目指して~

レーザガスセンシング技術

NTT研究所が開発した高性能なレーザ光源技術を用いて、食材に含まれる元素(酸素、水素、炭素)の安定同位体比を測定し、産地・品質を推定する技術開発を行っています。食品を燃焼したり食品に含まれる水分を抽出し蒸発させることで、食品に含まれる酸素、水素、炭素を、二酸化炭素や水蒸気にガス化します。そこに、レーザ光を照射し光吸収度合を高精度・高分解能で調べることで、安定同位体比を分析します。従来の安定同位体比分析法(質量分析法等)と比較して、操作が簡易で分析時間が短いことが特長です。様々な食材に関して産地推定の可能性を検討すると共に、実際の流通過程の中に本技術を組み込んだ際の一連の流れを検証してきました。今後は、食品の安定同位体比データ蓄積の充実を図ると共に、安定同位体比以外の様々な科学データと組み合わせることで、より高精度な産地・品質推定システムの構築を目指します。

レーザガスセンシング技術の原理と既存の流通管理システムとの連携

スマートコネクションデバイスプロジェクト

次世代光アクセスネットワーク制御LSI

次世代光アクセスネットワーク制御LSIの開発を進めています。制御LSIは、通信に必要な様々な処理を実行する回路を数cm角の半導体チップに集積したものです。これまでに、現在のBフレッツ用ONUに搭載されている制御LSIを開発し、さらに従来のFTTHの10倍の大容量化を実現する10G-EPON用制御チップセットを世界で初めて開発・実用化しました。現在は、次世代光アクセスネットワークの高機能化、低コスト化、省電力化を実現し、モバイル基地局収容も可能とするモバイル・アクセス融合ネットワークを実現可能な制御LSIの研究開発を進めています。

モバイル・アクセス融合ネットワークの図

※FTTH: Fiber to the home
※LSI: Large scale integrated circuits
※ONU: Optical network unit
※10G-EPON: 10 Giga bit ethernet passive optical network

小型光送受信モジュール 400GbE TOSA/ROSA

クラウドサービスの進展に伴い大規模データセンタが設立されています。データセンタ内/間のデータ通信には広帯域・小型・低消費電力の光トランシーバが必要であり、最先端の光半導体チップ作製技術、光・電子デバイス集積化技術を用い、キー部品である小型光送受信モジュール(TOSA/ROSA)の開発を進めています。特に、オリジナルのAPDアレイチップ、PLC光分波回路を集積することで、20km以上の長距離伝送が可能なROSAを世界に先駆け開発しました。現在はさらなる高速化をめざし400GbE対応の光送受信モジュール開発を進めています。

小型光送受信モジュールの構成図

※GbE: Giga bit ethernet
※TOSA: Transmitter optical sub-assembly
※ROSA: Receiver optivcal sub-assembly
※APD: Avalanche photodiode
※PLC: Planer lightwave circuit

ライフアシストプロジェクト

OCT用高速波長掃引光源

波長掃引光源を利用したOCTは、生体組織等の数mm 程度の表層の断層画像を高速に取得できるため、医療・美容、産業等の分野への応用展開が進められています。
本プロジェクトでは、NTTにて研究開発を進めてきた電気光学結晶KTNを波長掃引素子として用い、高速動作するOCT光源を開発しています。KTN結晶の高速かつ高機能な波長掃引特性をOCT用波長掃引光源に適用することにより、短時間かつ高精度な診断へ貢献するツールを開発しています。

KTN決勝による波長掃引の原理の図とOCT用高速波長掃引光源の写真

hitoe®

柔軟性、吸湿性、生体親和性に優れた機能素材hitoe®を生体センサ―として使用し、着るだけで心拍・心電位などの生体情報を長時間計測できるウエアラブル生体情報計測システムを開発しています。負担感なく日常生活の中での生体情報を計測、分析できるため、スポーツ、労務、健康管理、医療など幅広い分野への展開が可能です。新しいサービスを生み出し、健康で豊かな生活を実現するためのツールとして役立てていきます。

ウェアラブル生体情報測定システム構成図

IoTゲート

IoTで課題となるセンサ端末の「コネクティビティ」を向上させるためIoTゲートデバイスを開発しています。
本デバイスは回路制御を高効率に行う事で、主要規格であるBluetooth、Wi-Fi、920MHz帯に対応し収容端末数を増やすと同時に、低消費電力化を実現します。
本技術により、hitoeをはじめとするウェアラブルセンサや環境センサからデータを簡単に取得できるようになり、IoTサービスの創出に貢献します。

IoTゲートのシステム構成