2. 主な技術ポイント ②回線設計を考慮した判定技術
本ツールでは、①の技術で導出した無線局間の遮蔽割合を用いて遮蔽損失を算出し、回線設計を行って通信可否を判定しています。回線設計とは、無線局(送信側)が送信した電波が、受信する無線局(受信側)で所要受信電力より高い電力で受信できるような条件を導き出すことです。送信側から放射される電波の電力は、送信電力に送信アンテナの指向性利得を加味したもので計算されます。こうして放射された電波は空間を伝搬して受信側の無線局に到達するまでに減衰(自由空間伝搬損失)します。これに加えて、例えば建物や樹木等の遮蔽物がフレネルゾーン内に存在している場合には遮蔽による減衰(遮蔽損失)が生じます。これら全ての減衰(伝搬損失)後に到達した電波を、受信アンテナを用いて無線局が受信したときに無線局の所要受信電力より大きい電力値で受信できれば通信可能であり、小さい電力値であれば通信できないと判定します。

図4 回線設計を考慮した判定技術
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1. 主な技術ポイント ①遮蔽物を定量的に評価する技術 |
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