
クラウド環境のリソース設計を効率化:Intent-Based Service Management(IBSM)フレームワーク
クラウドサービスの効率的な提供と運用を実現する、リソース設計システムIntent-Based Service Management(IBSM)フレームワークを紹介します。
背景
クラウドサービスの普及に伴い、サービス事業者がウェブサービス、データ分析等の様々な機能をクラウド提供事業者が提供するクラウド環境に実装し、サービスを提供する形態が増加しています。クラウド提供事業者が、迅速かつ効率的にクラウドサービスを提供・運用するためには、サービス事業者のサービス要件に応じたクラウドのリソース設計を効率化することが不可欠です。これらの設計はクラウド提供事業者側あるいはサービス事業者側のクラウド環境の専門知識を有する人材に依存しており、クラウド設計コストの増大等の問題が生じています。
概要
IBSMは、自然言語等で表現したサービスの機能性・安全性・信頼性・パフォーマンス等のサービス要件の分析(要件解析部)、これらのサービス要件を満たすためのリソース構成の設計(リソース構成決定部)、リソース量の導出(リソース量算出部)から実現され、クラウドサービスの提案・開通・運用業務等の様々な場面での支援を可能とします。例えば、提案段階では、お客様が期待するパフォーマンスを達成するために必要なリソース・費用の導出を可能とし、お客様への提案業務を効率化します。開通段階では、リソース設計を自動化し、サービス提供時間の短縮や開通の自動化及び有スキル人材の稼働抑制を可能とします。また、運用時においては、運用環境の変化に応じたリソース構成およびリソース量の適正化により、サービスのパフォーマンスの維持を可能とし、サービス事業者の満足度の向上に貢献します。
図1 サービス要件に応じたリソース設計及びIBSMフレームワーク
今後の予定
今後は、サービス提案、開通、運用等の実運用状況に応じた機能の精査等を行うとともに、トライアルを通じて実運用でのフィージビリティを高め、実用化を進めていく予定です。また、本技術を標準化団体ETSI(European Telecommunications Standards Institute) ENI (Experiential Networked Intelligence)に反映し、技術の普及促進を図ります。
担当者
アクセスオペレーションプロジェクト オペレーション方式SEグループ
井上 晃(グループリーダ)
田山 健一(主幹研究員)、堀内 信吾(主任研究員)、呉 超(研究員)
田山 健一(主幹研究員)、堀内 信吾(主任研究員)、呉 超(研究員)
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