
多心光コネクタの検査を低コストに実現
多心光コネクタの偏心検査装置を開発
シングルモード光ファイバ用多心光コネクタ(MPOコネクタ等)の製造に必要なコネクタフェルールの偏心測定を、より低コストに実現する新しい検査装置について紹介します。
背景
シングルモード光ファイバの多心光コネクタはコネクタフェルールのファイバ穴の偏心を検査し、1.4μm以下の偏心の小さいフェルールを用いて製造されます。このためには繰り返し精度0.1μm以下の高精度な偏心検査が必要です。従来の偏心検査装置では高倍率の顕微鏡と精密移動ステージを用いて高精度な検査を実現していますが、精密移動ステージのコストが高いという問題がありました。
図1 多心光コネクタの製造工程
概要
従来の検査装置では、顕微鏡でフェルール端面の一部を拡大して観察します。このため、観察範囲を動かしつつ測定することによりフェルール全体を検査するので、精密移動ステージが必要です。新しく開発した検査装置では顕微鏡レンズの低倍率化により観察視野をフェルール端面全体に広げました。顕微鏡の低倍率化により取得画像の解像度が下がりますが、新たに画像の濃淡情報を画像処理に用いることで、フェルール検査で必要な測定精度(従来装置と同等)を実現しました。これにより精密移動ステージを不要とし、装置の低コスト化を可能にしました。
今後の予定
開発した多心光コネクタ偏心検査装置はNTTアドバンステクノロジ株式会社から販売予定です。
担当者
アクセス設備プロジェクト 所内設備グループ
片山 和典(グループリーダ)
小山 良(主任研究員)
深井 千里(研究員)
小山 良(主任研究員)
深井 千里(研究員)
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