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ANSL R&D Times

2. N:1プロテクション機能

 N:1プロテクション機能は、低コストかつ高信頼性を実現するOSU(Optical Subscriber Unit)の冗長機能です。FTTH向け装置は低コストが至上命題であることから、従来のPON装置は冗長構成ではありませんでした。
 10G-EPONシステムでは、1枚の冗長系OSUで複数(N)枚の運用系OSUの故障に対応するN:1プロテクション方式を採用しました。この構成により、運用系OSUで故障が発生した場合、自動で冗長系OSUへ切り替わるため、サービス継続が可能となり、保守(駆けつけ修理稼働)の削減を図ることが可能となりました。
OSUのファームウェア更新の際には、更新対象の運用系OSUを冗長系OSUに切り替えることで、サービスを継続したままの作業が可能となります。切替中に上り・下り信号をバッファに蓄積させ、パケットを紛失を防ぐ機構を備えているため、サービス断影響を配慮した深夜作業も不要となり、保守コスト削減も期待できます。
 

図3 N;1プロテクションの効果

図3 N;1プロテクションの効果

 

 N:1プロテクションを実現するためには、複数の運用系OSUを一つの冗長系OSUへ接続するための光スイッチが必要となりますが、この光スイッチの故障・交換時にN枚の運用系OSUに収容される全ユーザが通信停止となるような構成は望ましくありません。
 この問題を解決するため、本装置は下記に示す構成としました。本構成の特徴は、光セレクタ内で2×2スプリッタにより運用系・冗長系に光信号を分離し、冗長側の光経路にのみ光スイッチが介在する点です。この構成により、冗長系OSUが動作していない正常時は、ユーザ通信に影響なく光スイッチの交換を行うことが可能です。

 

 図4 N;1プロテクションの構成

図4 N;1プロテクションの構成

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