NTTアクセスサービスシステム研究所
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ANSL R&D Times

広域災害復旧に適応した加入者系無線システム“TZ-403D”を開発

災害対策に向けた地上系無線システム開発の取り組み その3

 近年、頻発する大規模な自然災害等により、電気通信設備も多くの被災を受けています。NTTでは、災害時においても通信手段の早期確保を図るため、何時でも出動が可能な災害対策用無線システム(地上系/衛星系)を保有しています。
 図1は、これまで開発に取り組んだ地上系災害対策用無線システムの構成例を示しており、地上系災害対策用無線システムは、図示のとおり3種類のシステムに大別することができます。
 ここでは、③加入者系無線システム開発の取り組みについて紹介します。


図1 地上系災害対策用無線システムの構成例

背景

 災害対策用加入者系無線システムは、400MHz帯のライセンスバンドを利用し、数十㎞の無線通信が可能なことから、災害発生時にNTTビルにある無線基地局から避難所等に設置された無線端末局の間を無線接続することで通信インフラを早期に提供するための手段として全国に配備されています。しかし、東日本大震災を通して、現行アナログ装置ではインターネット接続機能の提供が困難等の様々な課題が顕在化しました。こうした背景から特設公衆電話に加えてインターネット接続機能の提供、巨大地震/津波被害等で想定される広域災害への対応、及び、小型軽量化等の可搬性向上の要望に応える新規の400MHz帯災害対策用加入者系無線システム(TZ-403D)の開発に取り組みました。
概要

 400MHz帯災害対策用加入者系無線システム(TZ-403D)では、無線チャネル数を増加させ、さらに1台の無線基地局から複数台の無線端末局を収容することができる多元接続方式を用いており、広域災害時に同時に多くの避難所を収容することができます。

今後の予定
 NTT東日本、NTT西日本に導入開始されています。
担当者
無線エントランスプロジェクト レジリエント無線グループ
中村 宏之(グループリーダ)
上野 衆太(主任研究員)
徳安 朋浩(主任研究員)
立川 伸彦(主任研究員)
吉岡 弘貴(研究主任)
品川 晃祥(研究員)
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1.加入者系無線システムの構成