NTTアクセスサービスシステム研究所
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ANSL R&D Times

現在、弊所での開発は終了しております

世界初!電柱点検へミリ波透視技術を実用化

電柱貼紙防止シート下のひび割れ検知技術

 NTTが現在行っているコンクリート柱の点検業務を支援するため、目視では見ることのできない貼紙防止シートに隠れたひび割れを検知する技術を開発しました。

背景

 NTTグループでは、全国に保有しているコンクリート柱を安全に維持管理するために、定期的に点検診断を行っています。現在の点検方法は目視によるひび割れ検査が主流でありますが、目視による点検が出来ない貼紙防止シート敷設部については超音波装置により、ひび割れの有無を確認しています。しかしながら、超音波による点検は、伝播波形の読み取りに高度な専門知識を要するため、点検者に熟練度が必要不可欠となっています。また、膨大な数のコンクリート柱を点検する稼働量に対して、熟練技術者の人数が減少してきており、点検の質と量の両立が難しくなってきています。このような背景を受け、非熟練者でも正確かつ効率的に点検するための「ミリ波イメージングによる貼紙防止シート下のひび割れ検知技術」の確立に向けて、マイクロシステムインテグレーション研究所(MI研)と連携して開発に取り組んできました。
概要

 我々は、コア開発技術で構築してきた76.5GHz帯のミリ波を用いた透視イメージング技術を世界で初めてコンクリート柱の貼紙防止シート下に隠れたひび割れ点検技術として実用化しました。本技術は、ミリ波を送信し被覆物である貼紙防止シートに隠れたコンクリート表面ひび割れからの散乱信号を受信する専用ハードウェア(ミリ波センサ)と、受信信号からコンクリート表面の透視画像を生成し、その透視画像からひび割れを自動抽出する専用ソフトウェア(ニューラルネットワーク(神経回路網)による画像処理)で構成されています。

 データ計測ではミリ波センサをコンクリート柱表面に沿わせて走査します。ソフトウェアで計測データを読み込むと自動的にひび割れの有無を判定するとともに透視画像を表示します。このように、点検者が非熟練者であっても、目視できない貼紙防止シート下に隠れたひび割れ点検を正確かつ効率的に実施できるようになりました。

今後の予定
東西事業会社において本技術を事業導入するために、現場における計測方法や装置の使用方法に関する説明会を実施予定です。
担当者※当記事のお問い合わせは受け付けておりません
シビルシステムプロジェクト コンクリート構造系グループ
松宮 直規(グループリーダ)
菊地 真人(主任研究員)
望月 章志(研究主任)
笹沢 信也(研究員)
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