NTTアクセスサービスシステム研究所
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ANSL R&D Times

ケーブル収容管補修技術(3000心タイプ)による既設設備の耐震性向上

ケーブル収容管補修技術(3000心タイプ)による既設設備の耐震性向上

ケーブルを収容した状態の不良管路を非開削により再生し、複数のケーブルを収容する空間を確保する「ケーブル収容管補修技術(3000心タイプ)」について、地震防災上の観点から耐震性能を検討した結果、地震動や地盤変状に対し、ケーブル被害を軽減できる耐震対策として効果があることを確認しました。

背景

NTTアクセスサービスシステム研究所では、ケーブルを収容したまま管路を補修する技術として、自立強度を備えたライニング管を管内に形成する補修技術の開発に取り組み、2010年度に事業導入しました。さらに2011年3月11日に発生した東日本大震災を受けて、ケーブルを収容したまま耐震対策を可能にする技術が望まれていました。
概要
  1. 解析による評価
        従来の評価方法は既設管を考慮せずライニングのみで評価していましたが、既設管の影響を加味し、より実態にあった挙動を解析により評価しました。
        この手法を用いた大規模地震を想定した解析により、既設管は壊れてもライニングは限界値に対して十分安全であることが分かりました。
     
  2. 実験による評価
        解析では確認できない挙動について被災事例を参考に実験で確認をしました。実験は、地震動による影響と地盤変状による影響を対象としました。地震動については、既設管継手破壊時の挙動既設管継手破壊の後繰り返し衝突を、地盤変状については流動による曲げ不等沈下によるせん断が作用する場合を想定した実験を行い、ライニング材が空間の連続性や断面を保持し、ケーブルを保護することを確認しました。
今後の予定
空き管用のライニング技術であるTMライニング等についても耐震性の確認を行っています。また、3000心タイプ適用領域を拡大するため開発中の細径化タイプについても耐震性を検討する予定です。
担当者
シビルシステムプロジェクト 管路系グループ
山崎泰司(グループリーダ)
瀬川信博(主任研究員)
奥津 大(研究主任)
稲村俊郎(研究員)
石田直之(研究員)
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