開かれたR&D <2024年報>

フォーラム・シンポジウム・イベントの詳細

NTT R&D FORUM 2023 — IOWN ACCELERATIONの開催

NTTは、2023年11月14日(火)~17日(金)の4日間にわたり、「NTT R&D FORUM 2023 — IOWN ACCELERATION」をNTT武蔵野研究開発センタにおいて開催しました。新型コロナウイルス感染症対策のため3年ほどオンラインを中心に開催してきましたが、NTTグループのお客さま、ビジネスパートナーの皆さま方など、国内外の延べ約12,000名のお客さまにご来場いただきました。

本フォーラムでは、NTT版大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」を柱とする技術を「IOWN Pick Up」として展示し、多くの方の注目を集めました。また、IOWN関連技術をその成熟度合いで 「IOWN Now」 「IOWN Evolution」 「IOWN Future」の3つのタイムラインに分け、計18のテーマに沿って97件(内20件はオンラインのみ)の最新研究成果を分かりやすくご紹介しました。

基調講演では、島田 明 代表取締役社長より、社会課題を解決するIOWNとNTT版LLM「tsuzumi」の可能性をご紹介しました。大西 佐知子 研究開発マーケティング本部長より、プロダクトアウトに加えマーケットイン視点でとらえた研究開発についてご紹介し、木下 真吾 研究企画部門長より、LLMとIOWNの両技術を足し合わせる・掛け合わることによる相互作用について技術的な解説を盛り込んでご紹介しました。そのほか、特別セッション3講演、未来セミナー3講演を開催し、講演内容はオンラインでも配信することで、約15,000名の方にご視聴いただきました。

本イベントを通じて、NTT R&Dのさまざまな取り組みと着実な進展について、実感していただくとともに、多くの方からの貴重なご意見をいただきました。皆さまからのご期待に応えられるよう、今後も新たな技術の開発や展開に一層努力してまいります。

島田 明 代表取締役社長の基調講演模様
研究成果の展示模様

つくばフォーラム2023の開催

NTTアクセスサービスシステム研究所(AS研)では、NTT筑波研究開発センタにおいて2023年5月17日(水)、18日(木)の2日間にわたり、「つながり続ける今と未来へ 変革に挑戦するアクセスネットワーク」をテーマに、つくばフォーラム2023を開催しました。今回のフォーラムは、研究所の最新研究開発成果について提案・展示するとともに、共催団体やNTTグループなど計97団体による多数の展示・技術紹介を行い、約8,880名の参加事前登録、および約7,800名の現地参加をいただきました。

基調講演では、日本電信電話株式会社の川添 雄彦代表取締役副社長より「新たな価値の創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTTへ」、続いて西日本電信電話株式会社の猪俣 貴志常務取締役設備本部長より「総合エンジニアリングに向けて」と題した講演を国際会議場で実施しました。

各社の展示や技術紹介のほか、東日本電信電話株式会社の佐々木 理部門長、およびAS研の海老根 崇プロジェクトマネージャ、吉田 智暁プロジェクトマネージャ、鬼沢 武プロジェクトマネージャの4名によるワークショップに加え、「無線技術の進化が可能にする人間の感覚や動作を拡張する世界」 「「つながり続けるアクセスネットワーク」の実現に向けた取り組み」の2テーマで、共催団体、NTTグループ各社、NTT研究所の三位一体による技術交流サロンを行いました。

また、新型コロナ感染症が5類に引き下げられたことにより現地参加者が増え、リアルな情報共有の場として、有益な開催となりました。また、出展者・参加者ともに新規参加が増え、新たなビジネスやリレーションを作る場として活用されるなど充実したフォーラムとなりました。

※役職は開催当時のものです。

展示会場
技術交流サロン

NTTコミュニケーション科学基礎研究所 オープンハウス2023の開催

NTTコミュニケーション科学基礎研究所(CS研)では、最新の研究成果を紹介する機会として、「NTTコミュニケーション科学基礎研究所 オープンハウス2023」を開催しました。2023年は4年ぶりに対面でご来場者をお迎えし、人工知能(AI)やメディア処理から人間科学や脳科学などの研究成果を分かりやすくご紹介しました。新たな試みとして、NTT西日本のイノベーション施設「QUINTBRIDGE」(大阪府大阪市)を会場とし、参加者の皆様の安全性や快適性を考慮した事前予約制を導入しました。

招待講演「内耳の電気刺激(人工内耳)による音声言語獲得」では静岡県立総合病院 きこえとことばのセンター長・高木 明先生をお招きしました。ヒトの音声言語の獲得には3歳ごろの感受期までに聴覚刺激を与えることが不可欠なところ、内耳のコルチ器という聴覚に重要な器官が先天的に十分に機能しなかった場合でも、感受期までに人工内耳と呼ばれる内耳に電気信号を与える機器を装着することで十分に言語発達が可能という研究についてお話をいただきました。納谷 太所長の講演「人と社会と地球の未来を読み解き、誰もが輝ける世界をデザインする ~多様な知と技術で過去・現在・未来をつなぐコミュニケーション科学~」では、CS研がこれまで培ってきた「人を深く理解する」人間科学や脳科学を中心とした研究、および「人の能力に迫り凌駕する」メディア処理や機械学習に関する研究などについて、「人と社会と地球を読み解く」という切り口から、最近の取り組みの一部を紹介しました。また、CS研の研究者により「観測データから物理現象を再現する機械学習技術」 「量子コンピュータにおける計算高速性と信頼性のジレンマ」 「機械の脳で読み解くヒトの脳」 「マインドフルネス瞑想における『ありのままの気付き』とは何か?」の4つのテーマについての研究講演を行いました。研究展示では、「データと学習の科学」 「コミュニケーションと計算の科学」 「メディアの科学」 「人間の科学」の4カテゴリにおいて、動態デモを中心に16件の研究発表が行われました。開催後も一定期間、動画を含む展示内容をご覧いただけるようにし、さまざまな方々にCS研の最新成果をご覧いただきました。

ご興味のある方は、次回のオープンハウスへも是非ご参加いただき、CS研の研究に触れ、ご意見、ご要望を賜りますようお願い申し上げます。

NTT西日本QUINTBRIDGE会場での研究展示
オープンハウス2023のトップページ