未来社会×デジタル情報により生まれ得る、果てしない可能性と人類としての有るべき姿を見つけ、それを自ら実現するのが私たち研究所がめざすことです。
社会を構成するヒト・モノのデジタル化とそれに伴い可能となる大規模・高精度・高速な未来社会予測、実世界へのフィードバックを行う技術の研究開発を進めています。人間個人の内面まで含めたデジタル化、時空間やリアルを超えた社会的なインタラクションを可能にし、かつてない個や集団の活動を実現します。また、セキュリティやプライバシ、ウェルビーイングなど、人類として新たに充足すべき形を世界に示していきます。
研究開発担当役員
NTTサービスイノベーション総合研究所所長 兼清 知之
近年の技術革新の大きな成果のひとつとして、大規模言語モデル(LLM)が注目を集めています。LLMは、膨大な量のデジタル言語データを学習することにより、従来の人工知能(AI)に比べて、言語理解の能力において顕著な進化を遂げました。汎用的な適用が可能であり、人間のような自然な言語理解と応答を実現する点において、これまでにない可能性を拓いています。私たちは、LLMの活用により、膨大な知識への迅速なアクセス、業務効率の向上、創造的活動の支援など、日常生活や社会の多方面において豊かさを実感できる時代を迎えつつあります。
一方で、LLMは急速な発展に伴い、いくつかの技術的課題を抱えていることも事実です。たとえば、「ハルシネーション(非現実的な情報の生成)」「学習データに含まれるバイアスと倫理上の懸念」「説明可能性の乏しさ」「計算資源の過剰な消費と環境への影響」などが挙げられます。これらの課題に真摯に向き合うことは、今後の研究開発を進める上で不可欠です。
当総合研究所においては、ヒト・モノのデジタル化を起点とし、未来の予測および現実世界へのフィードバック技術の研究開発を推進しております。その根幹には、技術は人間と社会の幸福のためにあるべきであるという確固たる理念がございます。ゆえに、研究開発においては常に倫理的・社会的な側面に配慮しつつ、持続可能で価値ある成果の創出をめざしてまいります。サービスイノベーション総合研究所では以下の3つの研究所体制で研究を進めています。
■人間情報研究所
ヒューマンセントリックに基づき、サイバー世界発展の急加速に伴う実世界とサイバー世界の新たな共生に関する革新的研究開発
■社会情報研究所
ICTにより高度化する社会システムや人間社会の変革と発展に向けた、広範な社会価値、セキュリティ、プライバシー、倫理、法律・制度などの融合的研究開発
■コンピュータ & データサイエンス研究所
規模や複雑さの観点から扱うことが困難であったデータを処理可能とし、人や社会に有用な価値を創出する、革新的な計算機科学とデータサイエンスの研究開発
3つの専門研究所による協働体制のもと、領域横断的な知の統合を図りながら研究を進めております。異なる専門分野の連携を通じて、社会が直面する複雑な課題の解決と、新たなブレークスルーの創出をめざした技術革新に取り組んでおります。
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