
光伝送路を守る空孔構造光ファイバ部品
安全な大容量伝送の実現に向けて
ファイバヒューズは数ワットの光入射時に発生し、光ファイバを長さ方向に溶融・破壊します。長さ1mmの光ファイバ素子でヒューズ伝搬を停止する技術を実現しました。
背景
近年のトラフィック増大に伴い、光ファイバ伝送システムでは入力光パワーが増加しています。光ファイバへの入力パワーが数ワットの状態で、伝送路中に温度上昇点が存在すると、プラズマが生じ光源に向かって伝搬しながら光ファイバを溶融・破壊します。この現象はファイバヒューズと呼ばれています。そのため、今後の大容量伝送システムでは、ファイバヒューズの停止あるいは抑圧技術が重要になります。
概要
ファイバヒューズの伝搬は、光ファイバ中のコア外周に数個の空孔を有する空孔アシスト光ファイバ(HAF)を用いて停止できることが知られています。しかし、ヒューズを確実に停止するHAFの構造条件は十分に明らかになっていませんでした。今回、光伝送路のコアの大きさと入力光強度から、ヒューズ伝搬をわずか1mmの長さの素子で効率的に停止する、HAFの最適な空孔直径と空孔内接円直径の導出手法を確立しました。
今後の予定
光接続部や光増幅器など、ファイバヒューズの起点となりやすい部分に本技術を適用することにより、将来の大容量光伝送路を物理的な破壊現象から守ります。
担当者
アクセス設備プロジェクト 先端媒体グループ
中島 和秀(グループリーダ)
松井 隆(主任研究員)
半澤 信智(主任研究員)
野添 紗希(研究員)
松井 隆(主任研究員)
半澤 信智(主任研究員)
野添 紗希(研究員)
NTTアドバンステクノロジ
辻川 恭三
北見工業大学
黒河 賢二
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