NTTアクセスサービスシステム研究所
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ANSL R&D Times

高信頼性、高速化を両立する10G級光アクセスシステム!

10G-EPONシステムの開発

 10G-EPON(10 Gigabit-Ethernet Passive Optical Network)システムは既に広く普及しているGE-PON(Gigabit Ethernet-PON)システムの10倍の高速大容量を実現し、OLT(Optical Line Terminal; 局側装置)を設置するだけで光ファイバ等の既設通信設備を活かしたスムーズなマイグレーションが可能であるため、次世代のFTTH(Fiber to the Home)サービスを担う光アクセス方式として注目されています。
 ここでは、10G-EPONシステム開発の取組みについて、1G/10Gデュアルレート、N:1プロテクション、ONUスリープ、時刻同期の各機能を中心にご紹介します。

背景

 日本国内のFTTHサービスの契約者数は2,780万を突破し普及率50%に到達しようとしています(2016年3月時点)。一般家庭においては、パソコンのみならずスマートフォンやタブレット等の情報端末、家庭用ゲーム機を含むさまざまな家電製品が有線あるいは無線LANを介してホームネットワークに繋がっており、また将来の4K・8Kの超高精細映像伝送サービスへの期待も高まっていることから、FTTHサービスの更なる広帯域化・高速大容量化が求められています。
 一方でFTTHサービスを提供する通信事業者においては、新たなシステムを導入する際の設備投資の効率化や、システムの信頼性向上が課題となっています。
概要

 NTTアクセスサービスシステム研究所では2005年から世界に先駆けて10G-EPONシステムの研究・開発に取り組み、OLT及びONU(Optical Network Unit; 宅内装置)を開発しました。

 今回開発した10G-EPONシステムでは、1G/10Gデュアルレートに対応した光トランシーバやDBA(Dynamic Bandwidth Allocation; 動的帯域割当)機能の実現により既存のGE-PONシステムの設備(光ファイバ網、光スプリッタなど)を有効活用可能としました。また、N:1プロテクション機能によりOSU(Optical Subscriber Unit)の冗長性を確保し、高い信頼性を実現しました。

 

図1 10G-EPONの概要

 

図1 10G-EPONの概要

今後の予定
2016年1月にNTT東日本・NTT西日本へ技術を提供いたしました。次世代アクセス装置としての導入が期待されています。
担当者
光アクセス基盤プロジェクト 光アクセスシステムグループ
久保田 学(グループリーダ)
山田 貴(主任研究員)
酒井 慈仁(主任研究員)
松本 卓郎(主任研究員)
粟飯原 伸康(研究主任)
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1. 1G/10Gデュアルレートを実現するPON機能