NTTアクセスサービスシステム研究所
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ANSL R&D Times

動的スペクトラム制御伝送技術

衛星通信の周波数利用効率を飛躍的に向上

動的スペクトラム制御伝送技術は、既存の衛星通信用設備を活用しながら、無線信号のスペクトラム形状を柔軟に制御して周波数利用効率を向上し、大容量化やCAPEX、OPEX削減に貢献します。

背景

衛星通信システムは、デマンドアサイン方式をベースとする回線割当を行うため衛星中継器に空き帯域が散在します。しかし、シングルキャリア伝送を用いる一般的な衛星通信システムでは、散在する空き帯域の有効利用が困難でした。一方、マルチキャリア伝送を導入すればこの問題を解決できますが、シングルキャリア伝送の既存設備に適用するには大幅な設備更改が必要であり、多額の費用を要する問題がありました。
概要

図1 動的スペクトラム制御伝送を用いた衛星通信システム

図1 動的スペクトラム制御伝送を用いた衛星通信システム

 

動的スペクトラム制御伝送技術によれば、既存衛星や既存地上局設備をそのまま活用しながら、空き帯域に合わせ、衛星回線のスペクトラム形状を柔軟に制御し伝送できるため、衛星通信システムの周波数利用効率が向上します。

今後の予定
実用化においては、既設システムの高度化を主なターゲットに実際の衛星通信への導入を検討しつつ、コア研究においては、衛星以外への適用も検討します。例えば、5G and Beyondでのシステム間干渉補償へ発展させます。
担当者
無線エントランスプロジェクト 衛星通信グループ
小林 聖(グループリーダ)
加納 寿美

未来ねっと研究所 ワイヤレスシステムイノベーション研究部 信号処理研究グループ
中平 勝也(主任研究員)
増野 淳(研究主任)
阿部 順一
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1.動的スペクトラム制御伝送技術の全体概要