NTTアクセスサービスシステム研究所
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ANSL R&D Times

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支障移転等に伴うサービス中断時間を短縮!

光ファイバ心線切替技術の開発について

支障移転工事等に伴うサービスの中断時間を短縮するため、新たな光ファイバ心線の切替作業手順とそれを実現する技術を確立しましたので紹介します。

背景

道路工事などの要因による支障移転工事で光ファイバケーブルを移設する際、サービスをご利用されるお客様への影響を軽減する技術としてMTコネクタを利用した光CATSシステムがありますが、工事の該当区間にMTコネクタによる接続点が存在しない場合、光CATSシステムを使用することはできません。そのため、多くの場合は融着接続技術により光ファイバケーブルの移設工事を実施しており、数分程度の断線が生じています。そこで、光CATSシステムが使用できない場合でもお客様への影響を軽減できるよう、断線時間を短縮する技術の開発に着手し、その技術を確立しました。
概要
光ファイバケーブルの切替時間を短縮する新たな作業手順とし、従来は融着接続の前処理において光ファイバテープ心線を切断してから実施していた被覆除去、清掃の作業を、心線切断前に実施することを考案しました。

(1)融着接続の前処理手順の見直し(従来手順との比較)
また、この手順見直しを実現するため、光ファイバテープ心線を切断することなく任意の位置(中間部分)で被覆を除去する工具を開発しました。これは、従来用いられているホットストリッパと異なり加熱を必要とせず、2種類の刃(ブレード)を光ファイテープの長手方向に水平に移動させることにより、光ファイテープを切断しない状態で、通信光に過剰な光損失を発生させることなく被覆の除去を可能にするものです。

(2)2種類のブレードを用いた被覆除去の仕組み

(3)中間被覆除去工具と被覆除去イメージ
これらの技術の開発により全体の作業時間を変化させることなく、通信断時間を約1/3に短縮することが可能であることを確認しました。

(4)従来工法との通信断時間の比較
今後の予定
今後も設備の実態や設備の利用サイドのニーズに真摯に目を向け、支障移転費用の削減をはじめとしたライフタイムコストの削減に資する開発に取り組んでいきます。
担当者※当記事のお問い合わせは受け付けておりません
第二推進プロジェクト ライフタイムコスト削減推進DP
有居正仁(主幹研究員)、両川英樹(主任研究員)
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1.(1)融着接続の前処理手順の見直し(従来手順との比較)