
6.探査能力
推進機先端ヘッドを模擬したFRP製実験装置に前方探査アンテナ装置を内蔵し、土層内を推進させて、土層に埋設された管路を探査することにより前方探査装置 の探査性能を確認しました。
(1)探査範囲
推進基線から水平および鉛直方向に離隔を取って推進基線と直交方向に埋設管を埋設し、電磁波の偏波方向に対する探査範囲について検証しました。
- 金属管に比較してビニル管のほうが探査可能距離が短く、それぞれの管の電磁波反射率による違いによるもので、ビニル管のほうが反射が弱いためと考 えられます。
- 水平方向、鉛直方向ともに離隔距離60cmにおいて1.4m以上の探査能力を持つことから、偏波方向に対する探査能力の違いが少ないことが確認で きました。
【鉛直方向の探査範囲】
【水平方向の探査範囲】
図9 探査能力(鉛直・水平方向離隔)
(2)管種・管径
同様にして、さまざまな管種および管径の埋設管により、探査能力の検証を行いました。検証結果から、
- 探査可能距離は管径に比例して長くなることが確認できました。
- さらに、ビニル管の探査可能距離は金属管に比較して短くなっているが、管径が大きくなってくると管種による差が少なくなっています。
- また、きわめて細いφ13mmのビニル管でも、約1.3m手前から探査可能な能力を有することが確認できました。
【管種・管径ごとの探査開始範囲】
図10 探査能力(管種・管径)
以上の証により、φ330mm程度の小口径推進機に搭載可能な電磁波探査装置は、ビニル管・金属管ともに前方1.4m、側方0.6mの範囲の探査が可能で あり、また探査分解能も高いことから、小口径推進機用の前方探査装置として十分な能力を持つことが確認できています。
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