ネットワーク帯域推定の運用性向上を実現する機械学習モデル管理技術

2024年(令和6年)

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NTTアクセスサービスシステム研究所では、通信ネットワークに対する高い品質・信頼性が求められる法人ネットワーク向けに、新たに提案する機械学習モデルを活用した帯域推定技術の研究に取組んできました。
今回、帯域推定技術の活用に向けて、運用性を向上させる寄与度算出機能とモデル選択機能を加えた帯域管理システムを開発しました。
帯域推定技術は、トラヒック情報と様々な種類のトラヒック変動に相関する関連情報(特徴量)を入力として機械学習モデルのパラメータの最適化(学習)を行うことが出来ます。しかし、学習プロセスがブラックボックス化されてしまい、入力した様々な種類の特徴量のうちどの特徴量が機械学習モデルのパラメータ最適化に寄与度が大きいかを定量化することが出来ず、運用者が結果の妥当性を確認することや、意思決定を行う際に推定結果の根拠を説明することが困難であるという課題がありました。そこで帯域推定技術のシステム化にあたり、学習データとなる様々な種類の特徴量が機械学習モデルのパラメータ最適化にどの程度寄与しているかを定量化する機能を実装しました。
また、学習は入力したトラヒックや特徴量の期間ごとに行うことが出来るため、最適なパラメータを持った機械学習モデル(学習済みモデル)を複数作成することが出来ます。しかし、複数の学習済モデルの中からどの学習済みモデルを推定に利用するかを判断することが困難であるという課題がありました。そこで帯域管理技術のシステム化にあたり、複数の学習済みモデルの中から推定誤差が少ない学習済みモデルを選択するモデル選択機能を実装しました。
帯域管理システムは通信品質を担保しつつも設備投資を効率化する新たな設備設計手法に貢献します。

寄与度算出結果のイメージ

図1 寄与度算出結果のイメージ

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