コンクリート構造物の鉄筋腐食量推定技術と圧縮強度推定技術
- インフラストラクチャ技術 >
- コンクリート構造系設備の技術 >
- コンクリート構造物の鉄筋腐食量推定技術と圧縮強度推定技術
アクセスサービスシステム研究所では、とう道やマンホールなどの基盤設備を安全で効率的に点検・診断できるようにするため、超音波を用いたRC(鉄筋コンクリート)構造物の非破壊検査技術の開発を進め、これまでに、RC構造物のひび割れや空洞等を検査する技術を開発してきました。
さらに、コンクリート内の鉄筋腐食量およびコンクリート圧縮強度を推定する手法の開発も進めました。
コンクリート内の鉄筋が腐食すると、鉄筋表面に錆が生成され、錆の膨張によって微細なひび割れが成長するため、コンクリート構造物が保有している耐荷性能や耐久性能を評価するためには、コンクリート中の鉄筋腐食量の調査が必要です。
そこで、「材料形状や材質によって反射波が異なる」という超音波の特徴を利用して鉄筋腐食量を推定する技術(図1)の開発を行いました。
図1 供試体の形状と超音波計測の概要
また、「材料の弾性特性を表す弾性係数と音速とは密接な関係がある」という超音波の特性を活用してコンクリート中の音速からコンクリートの圧縮強度を推定する技術の開発を行いました。
さらに、「測定対象からの反射波を高精度に計測できる」という巨視的超音波法の特徴を利用して、「材料内部を伝播した反射波」を用いた音速計測手法を考案しました(図2)。
図2 コンクリート内部伝播反射波の計測法