目次
原点と挑戦
所属しているグループの役割やミッションについて教えていただけますか?
サービスの高度化・多様化に応え続ける光アクセスネットワークの要素技術である、高い伝送性能・柔軟性・効率性・信頼性を備えた光接続・分岐・監視技術に関する研究を行っています。
入所のきっかけや志望理由について、お聞かせください。
大学時代から光ファイバ・導波路の設計に関する研究を行っており、自分の専門性を活かし光通信インフラを通じてより豊かで便利な社会の実現に貢献したいと考え志望しました。
未来を切り拓く研究最前線
研究テーマや分野、現在取り組まれている内容について、ご紹介いただけますか?
光ファイバを切断せず必要な箇所に必要なタイミングで光ファイバを分岐・合流できる光分岐技術に取り組んでいます。
これまで、
①光ファイバ曲げによる一時的な分岐
②光ファイバ側面研磨による恒久的な分岐
の2つの方式について検討してきました。
①光ファイバ曲げによる一時的な分岐について
②光ファイバ側面研磨による恒久的な分岐について
研究の目的や狙い、研究が将来どう活きるのか教えてください。
①の方式は、光ファイバ心線の特定や試験を容易にし、光ネットワークを保守する作業の効率化に貢献します。②の方式では、近年急速に増加しているIoTデバイスや無線アンテナなどの多種多様なデバイスを光ネットワークに自由自在に接続でき、既存の光ネットワークの有効活用・タイムリーな通信サービスの提供に貢献できると考えています。
これまでの成果や進捗状況については、いかがでしょうか?
①の方式については技術確立を完了し、NTT東西などの事業会社へ研究成果を提供しました。
②の方式については現在要素技術の確立に取り組んでおり、特許出願や論文投稿、報道発表などを実施しました。
今後のチャレンジや展望についても、ぜひお聞かせください。
②の方式の技術確立を引き続き取り組みつつ、近年のAI・データセンタ需要の急増に応えるためにマルチコアファイバなどを用いた光接続の高集積化に関する研究にもチャレンジしています。また、現在、国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)における標準化活動にも従事しており、自分の技術のグローバル展開もめざしています。
研究者の日常とリアル
研究所の環境や、一緒に働く方々の雰囲気についてはどのように感じていますか?
最先端の研究を進めるために必要な実験装置や、実スケールでの検証を行うための設備が整っています。また、研究所の敷地内には、テニスコートなども整備されています。
このような環境の中で、世界のトップで活躍している一流の研究者が、日々相談や議論しながら、のびのびと研究に取り組んでいます。
研究者としての一日の流れを教えてください。
朝は緊急性の高い業務のみを早めにこなし、脳がフレッシュな状態のうちに集中して研究活動を行うようにしています。私は主に計画立案や方式検討、特許や論文を執筆することが多いです。
午後からは打合せや事務処理などを主に行いつつ、社内外の最新動向調査や自己研鑽により自分の研究スキルを高めています。
休日はどうやってリフレッシュされていますか。
妻と2人のこどもと一緒に様々な遊びやスポーツで思いっきり身体を動かし、お腹いっぱいご飯を食べてリフレッシュしています。平日も昼休憩時間や終業後にはテニスを楽しんでいます。テニスは入社後から始めましたが先輩たちのおかげで日々上達しており、今では最も好きなスポーツです。
日常と研究の両立について、工夫されていることはありますか?
リモートスタンダード制度を活用し、月の半分程度は、遠隔地にある自宅で、在宅勤務をしており、さらにスーパーフレックスタイム制度を活用してこどもの送迎や家事、こどもと遊ぶ時間を取るようにしています。出社日は実験に集中したり、社内外の方々とのコミュニケーションを重点的に行うようにし、より良いアイディア・成果の創出や研究活動の円滑化を図っています。
研究に込めた想い
研究におけるやりがいや、大切にしている想いについて、ご自由にお話しください。
自分の研究成果が具現化され、実際に使用されている設備で検証しながら改善を重ねていく過程にやりがいを感じます。大学では自分の研究がどのように活用されるのかイメージできませんでしたが、NTTでは自分の研究がどこで役に立つのかが明確にイメージでき、研究のモチベーションアップにつながっています。
最後に、読者へのメッセージを、一言お願いいたします。
NTT研究所には研究に集中でき、自らのスキルを高められる人材・設備・育成制度・キャリアパス・福利厚生制度が揃っています。研究テーマも多岐にわたり、大学で培った専門性を活かせる場面がきっとあると思います。インターンシップや見学会を通じて研究者や環境を肌で感じてみてはいかがでしょうか。
テニスしてる姿、すっごくイキイキしてますね〜!
ありがとうございます。仕事終わりにみんなで汗を流すのが、良い気分転換になっています!
広い敷地があるからこその楽しみ方ですね!
そうなんです。メリハリつけて研究に集中できる環境です。自由度の高い働き方もAS研の魅力ですよ。
研究者プロフィール
- 氏名
- 植松 卓威(うえまつ たくい)
- 所属
- アクセス設備プロジェクト 光コネクション高度化グループ
- 入社年
- 2014年
- 経歴
- 北海道大学大学院情報科学研究科メディアネットワーク専攻を修了後、日本電信電話株式会社に入社。以来、アクセスサービスシステム研究所にて光ファイバの分岐・接続技術に関する研究・標準化に従事。2023年より准特別研究員、2025年より特別研究員。
IEC TC86 SC86B国際副幹事。